セキホツ熊の謎を追え!

古史古伝を片手に神社めぐり。古代人の残した偽書に基づく妄想考察。

聖蹟桜ヶ丘・武蔵一宮小野神社の謎①ほのかに感じる桜の女神ホノコ様と春日族たち。


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 2019,4,21

 宮下文書における、武蔵一宮『小野神社』考察

〇小野神社(東京都多摩市一ノ宮)

~御祭神~

・天下春命

・瀬織津比咩大神

・伊弉諾尊

・素戔嗚尊

・大己貴大神

・瓊瓊杵尊

・彦火火出見尊

・倉稲魂命

 

 

~摂社~

・伊勢神宮神

・事代主命(三嶋神)

・須佐之男命

・軻遇突智命

・日本足彦国押人命

・大足彦忍代別命(12代景行天皇)

・武甕槌命

・木花開耶姫命

・市杵嶋姫命

・鹽土老翁命

・水分神

<他>

秋葉神社?稲荷神社?

創建(伝)安寧天皇18年。

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社伝によると3代安寧天皇18年(紀元前531年)の創建。

宮下文書によると、神代より武蔵は、蘇我(祖家)氏系統のタケミカヅチとフツヌシ兄弟子孫が統治していた。『十三乙丑年(BC536年)二月、国賊の残党、大軍を興し奥の国々に乱入して、国造を殺し掠略を重ねた。陸奥は大いに乱れた。』とある。そこで3代安寧天皇は、タケミカヅチとフツヌシ兄弟子孫、安房武正命、香取太良太命、鹿島武雄命、貫前政男命の四将を東国軍将とし鎮圧。東北海の大島(場所不明)にて撃破したとのこと。

あくまで推測だが、小野神社は富士山~高千穂峰『夏至レイライン』上の、その東征祈願または東征鎮護のための神社だったのではないかとみる。後世景行41(111年)この役割は武蔵国府『大國魂神社』に移管されてゆくが、この『小川郷』の『小野里』周辺に顕現したオオクニヌシを府中の地に勧請したようだ。即ち、武蔵一宮『小野神社』と武蔵二宮『二宮神社』は武蔵総社『大國魂神社』の母体とみる。大國魂神社が頑なに『武蔵一宮』を氷川神社(武蔵三宮)にしない裏の理由であろう(笑)。

また『小野大神』の定義は諸説あるが、境内の案内を見ると『大神』を冠されているのは『瀬織津比咩ノ大神』と『大己貴大神』であることが確認できる。主神である天下春命には冠されていない。小野大神を祀る総社『大國魂神社』にも、瀬織津姫が祀られている可能性は十分あり、現に新編武蔵風土記稿によると江戸時代末期までは祀られていた。

そして、この神社の御祭神の性質や多さからみれば、単に多摩川の水神とは思えない。

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和邇氏と小野氏と春日の地

宮下文書から推測するに、小野氏の祖、和邇氏祖は5代孝昭天皇と『世襲足媛命』の皇子、天足彦国押人命にあたる(下リンクに訂正記事あり↓)世襲足媛命の父は『蘇我政吏命』、その名の通り蘇我氏である。宮下文書記載の『欠史八代』期間は、まだ富士朝と大和天皇勢力が密月であった頃の話で、この時代に既に蘇我氏がいたことになる。即ち、『皇兄家』スタートの和邇氏も、大きく見れば蘇我大伴氏系統(祖家)といっても過言ではないわけだ。

一般的にも和邇氏は、春日の地で『朱』原材料の採掘で名を馳せ、天皇家に多く立后させている有力氏族。しかしその後、春日の地で朱を取りつくしてしまい、地方へ分散せざる得なかったともいわれている。現在の武蔵一宮『小野神社』の社殿が朱色なのも、和邇氏を彷彿とさせ、境内摂社には『天足彦国押人命』が祀られている。

その後、和邇氏の部下であった中臣(藤原)氏が台頭。結果として藤原氏が蘇我氏を滅ぼし、和邇氏ら蘇我系統拠点である春日の地を奪った形だ。

小野氏には小野妹子・小野篁・小野小町・小野道風ら著名人がいる。また柿本人麻呂も春日氏庶流となる。前述した蘇我氏系統由来と見做される大和国春日『石上神宮』に彼の石碑がある。宮下文書にも、小野氏の活躍が僅かに記載されている。従四位上・小野道風は貞観12年(870年)、富士山噴火後の阿祖山太神宮の改称に関与。醍醐天皇下の左大臣・藤原時平と右大臣・源光行らとともに、富士朝弱体化工作に本格着手した。こうして富士山周辺にある神社は殆ど『浅間(せんげん)』神社にされてしまうわけだ。

 

※小野氏について訂正記事あり、下リンクより↓。

小野氏祖『宇都志日金折命』は、タマノオヤとイワナガヒメの子孫の可能性あり。

小野氏はイワナガヒメ末裔?。夏至レイライン多摩にて『タマ』を見守ってきた玉神八幡氏族の本懐とは。 - セキホツ熊の謎を追え!


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そもそもアメノコヤネ以外の春日神、タケミカズチとフツヌシというのは蘇我系統の神。蘇我(祖家)子孫が祭事していた軍神の可能があり、春日大社は蘇我氏が滅んで以後の768年創建である。後世になり藤原氏が、藤原氏祖アメノコヤネと一緒に蘇我氏系統軍神を祀る逆転現象になるわけだ。

小野神社境内摂社にもタケミカヅチと鹽土老翁命が祀られているところを見ると、『あぁ宮下文書の解釈どおり、蘇我系統春日族なんだな…』と感じてしまう。因みに鹽土老翁命(=塩土老翁命)も蘇我氏系統である。タケミナカタ・タケミカヅチ・フツヌシの叔父にあたる。このように宮下文書的に考えると、小野神社摂社は蘇我色が強いことに気づくのだ。

 

 

小野氏の謎、小野氏がこの武蔵国に残したもの。

前記事で紹介した通り、ここから富士山と高千穂峰が『夏至レイライン』で結ばれ、 特に次の三社は、御祭神の瀬織津姫エタモヒや小野氏の関係社として共通している。

偽書のススメ: 富士王朝とウガヤ王朝の関係、レイラインが繋ぐ歴史の真実。 - セキホツ熊の謎を追え!

・『小野神社』は下写真①のように朝日を背にして、西に正対している。写真①は大体夏至付近の午前中に撮影したもの。

・『大國魂神社』(東京都府中市宮町)はかつての武蔵国府、小野孝泰も武蔵守として着任している。毎年、夏至に祭礼あり。

・『人見稲荷神社』(東京都府中市若松町)の創建は1232年、元寇氏族・武藤氏(少弐氏)による小野大神勧請であったが、もともとは小野氏子孫『人見氏』の由来の地である。また武藤氏嫁の父が梶原景時で、母親が小野氏族横山氏。

残念ながら、小野神社における小野氏の関与は明確ではない。

神社由緒では、『小野』という名称はあくまで『小野里』というこの地の古名に由来しており、小野氏が武蔵国へ下向してきた時代よりも遥かに遡るわけだ。即ち時代が合わず、神社との関係がうまく辿れないのである。しかし下地図レイラインを見てみると、武蔵国に下向した小野氏族のレイラインへのこだわりが浮き彫りとなっており、レイライン上『相原八幡宮』(神奈川県相模原市緑区相原)も小野氏族子孫横山氏が関与している。和邇氏や小野氏の特徴はこの『太陽信仰』と『龍蛇信仰』であり、瀬織津姫信仰と一致しているのも事実なのだ。

個人的には、何かしら和邇氏や小野氏の影響があると思っている。

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武蔵国の小野氏は、瀬織津姫の小野神社(府中市と多摩市)と、九頭竜の『九頭竜神社』(東京都西多摩郡桧原村)に関与した不思議な氏族でもある。ホツマツタヱにおいてに瀬織津姫ホノコと九頭竜モチコは敵対同士であり、小野神社の近くにも『関戸九頭竜神社』(東京都多摩市関戸)がある。なんでも、小野神社参拝後に行くと御利益あるらしいが、私は風邪を三週間拗らせた(笑)。

関戸九頭竜神社の創建は不詳だが、多摩川の氾濫の経緯で建てられたそうで、小野神社との関係は不明である。しかし何故対峙する水神を、わざわざ同地域で祀っているのだろうか…?。そういえば『箱根神社』(神奈川県足柄下郡箱根町)も同様で、同境内に九頭竜社と祓戸社が存在している。瀬織津姫を祀る祓戸社は、境内神輿のディスプレイで隠されていたのが象徴的であった。

宮下文書における瀬織津姫の正体①瀬織津姫の意味とは? - セキホツ熊の謎を追え!

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<神社めぐり>大國魂神社①最強サクナダリ神社に、瀬織津姫が祀られている可能性。 - セキホツ熊の謎を追え!<人見稲荷神社>瀬織津姫を三陣並べて、元寇『神風』を二度も呼んでしまった少弐氏おじいちゃんのお話。 - セキホツ熊の謎を追え!

 

 

※因みに、武蔵一宮は『氷川神社』という論争があるが…。新編武蔵国風土記稿によると、『ムサシ』とは、『无邪志』『胸刺』別の行政区分であった可能性を指摘している。そのほかにも武蔵国には『武刺』『牟邪志』などの表記があり、時代と地域により区分が違う可能性がある。

 宮下文書によるとアマテラス代の行政区分的には『氷川神社』周辺は淡津佐国(房総)に属していた。現在の三浦半島~府中~秩父が『武佐志』と呼ばれていた。

神武天皇の代に武佐志野に副本営副本陣『日川の宮』が登場、武佐志国筆頭に『日加和(ヒカワ)神社』が存在し、小野神社より前に東国拠点として存在していたのは明白だ。

小野神社については今後も調べたいことがあり、追って紹介していく。

小野神社続報、下記事↓

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※クラフトマップ使用

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