セキホツ熊の謎を追え!

古史古伝を片手に神社めぐり。古代人の残した偽書に基づく妄想考察。

<神部レイライン②>尾張氏が大和国でカモ信仰をする、『伊都之尾羽張』の謎。

山梨県笛吹町石和町・甲斐御室山麓『山神宮(里宮)』、江戸末期に正一位?
大山祇命・月読尊・稚産霊命・宇気母智命を祀る。

トボトボ登山して、甲斐御室山に一番近い神社に到着。山神宮奥宮こと『天狗社』。
ここから御室山に登れるらしいのだが…、登山路を見失った。



2022,6,26

前記事の甲斐国『神部神社レイライン』の続き。今回は、レイライン上の大和国へ、葛城山付近をご紹介。注目すべきは、前記事で紹介した山梨県塩山竹森『玉諸神社奥宮』〜カシハラ『橿原神宮』〜アビカシハラ『日前宮』へのレイラインと軌道が近いようだ。また、葛城山周辺では、尾張勢力が、カモ神祭祀をしている様子がチラホラ伺えるのだが…。これは一体どうゆう事なのか?。

~目次~

<レイラインの美学⑱>甲斐御室山を指し示していたミワとカモ、三輪山と葛城山。 - セキホツ熊の謎を追え!

神武東征後に玉はどこへ消えたのか?。橿原神宮は三種神器に護られた八幡神クロスポイントだった???。 - セキホツ熊の謎を追え!

 

 

 

甲斐御室山からの『神部神社レイライン』続き。

~甲斐御室山・三輪山・葛城山レイライン~

  • 三輪山(奥津磐座)
  • 大神神社(奈良県桜井市三輪)
  • 三輪神社(奈良県桜井市西之宮)
  • 三輪恵比寿神社
  • 畝尾都多本神社(香久山西麓、ズレ大きい)
  • 神武天皇畝傍山東北陵
  • 畝傍山
  • 畝火山口神社(本来はオオヤマツミ系神社?)
  • 捨篠神社(弁財天)
  • 葛木坐火雷神社(笛吹神社)
  • 葛城天剣神社(天之尾羽張神)
  • 葛城天神社
  • 葛城山水源地
  • 和泉葛城山(役小角由来)
  • 九頭龍神社
  • 和歌山城
  • 水門吹上神社(神武聖蹟『男之水門』比定地)

 


※因みに。宮下文書三輪本現代訳『神皇紀』では、賀茂氏・賀茂建角身命・一言主・オオタタネコは一切登場しない。通説でも、系図は諸説ありすぎるので、ホントに存在していたのか?と…。個人的には大和国や山背国にて、富士朝ウガヤ朝御祖霊祭祀を任されていた人々を、漠然と『賀茂氏』と呼んでいたのかな?とも思うのだが…(妄想)。その正体は相変わらず不明。

 

※因みに。宮下文書における尾張氏は、尾羽張姓のこと。ヤマトタケル東征後に御子である長田王(美夜受媛の子)が継いでいるために、天別天之火明命系統は母方遺伝子となる。今回は、混同を避けるために『尾張勢力』と呼称している。

m(_ _)m

〈レイラインの美学⑰〉酒折宮連歌に隠された真実、日本武尊と山県大弐は新治・熱田の架け橋。 - セキホツ熊の謎を追え!

 





レイライン北東から紹介。

◯『天香具山』(奈良県橿原市) 

天から山が2つに割れて降ってきた。一つが伊予国『天山』で、もう一つが天香具山。愛媛県天山近くの『伊豫豆(いよず)比古命神社』と関連がありそうだ。伊豆+伊予(いよず)、さらに宮下文書版『愛媛』とはオオヤマツミ娘コノハナサクヤヒメのこと。まさに、宮下文書版オオヤマツミのキーワードが揃う神社である。天香具山には、クニトコタチ・イザナギ・イザナミや雨乞い信仰、天の岩戸伝承もあり。これは、富士山の見立てといって間違いない。

 

▲夫オオヤマツミ伊予で死す『三島へいくよ』

▲妃カモサワヒメは伊豆三嶋で死す。

 

またホツマツタヱによると。

24文によると、ニニギ兄クシタマホノアカリがハラミ山を模して造った。

29文によると、神武東征時、神武天皇の霊夢により、ウツヒコが蓑笠姿の翁に変装して香具山の埴を採取し、平たくして神饌を盛って祀る。

宮下文書現代訳p114にも、宇須彦なる人物が、高天原の天つ大御神らの祭祀の為に天香山の埴土を求めた記載があり。神武東征以前から存在していたことは明確なわけで、となると宮下文書版尾張勢力の富士朝祭祀があったとも考えられる。

 

前記事のおさらいとなるが、ここで天香山命を説明すると。

宮下文書版天香護山命は、コトシロヌシの子?とされる。5柱を戦死させてしまったコトシロヌシファミリー唯一男子生き残り御子で、カモサワヒメとも兄?か弟?にあたる。

忠臣コトシロヌシとタカテルヒメの自決は、家臣の誉れとして絶大な信仰をもっており、その後の精神論にも影響を残しているのだろう。初代ウガヤフキアエズ時代に天香護山命は、父コトシロヌシを継ぎ本州東北地区の総司令頭長となる。ただ、年代的におかしいので『孫』なのかもしれない…。宮下文書にはカモ神の定義・分類はないが、ま…敢えて分類するとすれば『カモ』神であろう。

 

一方、宮下文書版神武時代に、オオクニヌシ56代豊徳知貴命(三輪始祖)の子に、同名異神『天香護山命』が登場して越後国造となっている。もともとは、天香護山信仰に肖った個人的な信仰に基づいた名称だったのだろう。しかしホツマツタヱ成立以降、ミワとカモが強制合体されたこともあり、大和国ではこのニ柱が混同されている可能性もあり。

まとめると…天香山命は3パターン考えられる。

①宮下文書事代主系…(カモ)。

②宮下文書大国主系…(ミワ)。

③通説火明命系…(尾張氏祖)と別れる。

これは一体何を示しているのだろうか?。宮下文書では、天香護山命系統と尾張勢力は全くの別系統のハズ。どこかで婚姻関係があったのだろうか?。結局、カグヤマツミはコトシロヌシ系から、オオヤマツミ系に、さらには、火明命系へと、二転三転改竄されたのではないかと…。

一方で、現在までの大和国における天香山命信仰は、尾張勢力に属する…。笛吹連の祖神・建多乎利命や高倉下命、系譜によってはウマシマジと異母兄弟にされたりもする。

いま確実に言えるのは…、宮下文書視点では大和国の神系は、メチャクチャと言わざる得ないレベル。

(´(ェ)`)

※個人的に高倉下命の比定は…、神武東征時代、武佐志国から軍船を率いて参陣した51代ウガヤフキアエズ弥真都男王遵第6王子高倉王命(高倉日本王命)ではないかとみている。尾張勢力の家系図もメチャクチャにされているのが浮き彫りとなる。このあたりは尾張国神社巡り記事でご紹介したい。

※また宮下文書版神武東征に参加した、51代弥真都男王尊の皇弟に、高見香具山命がいる。東征に先んじて、富士高天原にて、天つ大御神と大賊との和平祈願をし、東国の軍勢を中国(出雲?)に進行させている。

※畝傍山の『畝火山口神社』にはオオヤマツミが祀られていた形跡があるので、香具山『畝尾都多本神社』と対関係になっているのかなと…(妄想)。




◯『畝尾都多本神社』(奈良県橿原市木之本)

〜御祭神〜

  • 哭澤女神(ナキサワメ)

 

別名『なきさわのもり』、御神体は井戸。

このブログでは何度も紹介しているが…。神名帳考証、神名帳注釈によると相模一宮寒川神社の御祭神は『澤女神』、つまり宮下文書版加茂澤毘女命(諡・別雷命)、寒川毘女命・賀茂別雷命・三嶋神・泣沢女命に比定される。

個人的には田心姫命・速開都姫命・伊豆能売も関係あるのではないかとみている。忠臣の誉れ高い殉死したコトシロヌシと、全国山の統治者オオヤマツミと、新富士象徴神コノハナサクヤヒメとに家族関係を結んでいた。全国的に様々な名を付けられ、知れば知るほどその信仰の巨大さに驚かされる古代女神。この大きな存在が、未だに現代人に未解明されたままなのだ…。

 

また宮下文書版ニニギ『外寇親征の役』により、コトシロヌシ家族5柱が戦死した玄界灘、松浦〜伊都(糸島)〜壱岐島。はっきり言って、この戦場域に伊豆神が祀られていない方がおかしい。例えば佐賀県唐津市『田島神社』は、宗像大社の元宮とする伝承があり、宗像三神を主祭神とし、オオヤマツミが配祀されている。私が田心姫命=寒川毘女命=三嶋神=カモサワヒメだと思う理由の一つでもある。

※宮下文書には宗像三神は登場しないが…、神道の特性上、宗像三神を渡来系の神としているのは不自然だなあと…。世間的には全く知られてないのだが、日本人は神代より大陸人と交戦を繰り返してきているわけだ。当然、富士朝先住民由来の女神を祀るのが自然だろう...。

※私の推定ご先祖さまは、元寇氏族であったが、三嶋神とナキサワメを信仰していたようだ。






◯『葛木坐火雷神社(笛吹神社)』(奈良県葛城市笛吹)

〜御祭神〜

  • 火雷大神
  • 天香山命(笛吹連の祖)

〜配祀〜

  • 大日霊貴尊
  • 高皇産霊尊
  • 天津彦火瓊瓊杵尊
  • 伊古比都幣命



創建不明。尾張氏祖笛吹連により創建されたという古社。

もともとは、葛木坐火雷神社と笛吹神社は別々の神社で、葛木坐火雷神社の祭神は火雷大神、笛吹神社は尾張氏の祖・天香山命であった。平安時代に火雷神社の影響力が衰え、当地にあった笛吹神社の末社に組み込まれてしまった。同じく尾張勢力笛吹連の祖・建多乎利命(たけたおり)の墓所であるという説もある。

笛吹連とは、崇神10年に建多乎利命の子・櫂子(かじし)が、天磐笛と、神社周辺の地『笛吹』と字名を賜ったという。同社の祭祀を代々受け継ぎ、現在宮司家・持田家もその子孫と言われる。

やはり注目すべきは、なんで10代崇神天皇がこの地域のカモ祭祀を尾張勢力に任せていたのか?…だ。崇神時代に一体なにがあったのか…?。

 

あと、なんか…賀茂建角身命(たけつのみ)と建多乎利命(たけたおり)似ている…(独り言)。

 



◯『葛城天剣神社』(奈良県御所市櫛羅)

〜御祭神~

  • 天照大御神荒魂
  • 邇邇芸命
  • 天之尾羽張神

 

創建不明、当神社については情報が少ない。。。

天之尾羽張神は神剣イツノオハバリを神霊化したような存在。宮下文書には登場せず。古事記によると神剣イツノオハバリは、イザナギがカグツチを切り殺すときに用いた十束剣で、その血から生れたのが建御雷神(タケミカヅチ)という。さらに葦原中国を平定するために、オモイカネが天之尾羽張神と建御雷神、どちらかを派遣することを選定していたという。『伊都』之『尾羽張』というのは、やはり伊豆+尾張のことなのではないか?と、漠然と考えていたのだが...、その理由がイマイチ見えてこない(苦笑)。

 

現在の大和国『石上神宮』主祭神は、布都御魂剣を御神体とした『布都御魂大神』であり、神武東征のおりに、前述した高倉下命(天香山命の別名、または兄弟神、通説では尾張氏祖)が霊夢にて獲得、神武天皇に渡されたという。配祀は、スサノオがヤマタノオロチを退治したときに使用したという天十握剣で、『天羽々斬(あめのはばきり)』といい、イツノオハバリと同一視される場合もある。この高倉下命というのは、これから後記事でも結構登場するので、憶えておいていただきたい。

やはり...、大和国誕生のキーワードは神武東征と尾張勢力、一般的にスサノオといえば出雲神を思い浮かべるが、尾張国『津島神社』とも関係が深い存在でもある。出雲神に対する大和国のアプローチにも、尾張勢力の影響力が見え隠れしてみえる...。

 

前記事のとおり宮下文書では、神武天皇軍はナガスネヒコ軍と対峙していた訳だが、これとは並行して尾張+東国軍が、別動隊として日栄山(富士山の見立て、比叡山)にて大活躍を見せていた。

宮下文書三輪本現代訳『神皇紀』p114によると、東海口の元帥・尾羽張明照雄命(ホノアカリ50代孫)は、副師・日田地武勇命(タケミカヅチ53代孫)と、大粟津口の白木軍総大将・眞佐勝彦命の大本営を疾風のような勢いで撃破。尾羽張明照雄命は、比叡山に逃れた眞佐勝彦命と白木人・禍津亘理彦命を追い詰め、大石剣で脳天から打ち砕いたという。まさに『神剣イツノオハバリ』にも相応しいエピソードではないかと。

石上神宮の伝承は、これらの尾張+東国軍の武勇伝をベースとしており、東国神タケミカヅチと布都御魂剣を神格化した直接的な理由ではないか?と思わせる。古来より東国人たちは鹿に乗って移動をしており、これを『春日大社』や『石上神宮』などで、藤原氏や物部氏が祭祀し続けたのではないかと。

このように、尾張+東国軍は大和国誕生に多大な影響を与えていたのだ。

宮下文書比定・日本総社こと『津島神社』(愛知県津島市神明町)




◯『葛城天神社』(奈良県御所市櫛羅・葛城山)

〜御祭神〜

  • 天神始祖として国常立命。

 

前記事でも触れたが、葛城山は21代雄略天皇と一言主(コトシロヌシ)の伝承でも有名。賀茂氏も一言主信仰も、この葛城地方で繁栄をしていた。しかし、797年『続日本紀』では、一言主(高鴨神)が天皇と獲物を争い、天皇の逆鱗に触れて土佐国に流されたと書かれているという。そもそも土佐は、宮下文書版アジスキタカヒコネ(蘇我=祖家系統派生・塩土老翁命三子)の鎮座地であったがため、カモ神と混同され始めたのだろう。初代ウガヤフキアエズ時代、コトシロヌシの御子・天香護山命と同時代同期に当たるのが、アジスキタカヒコ御子・高加茂王命、名前が『カモ』であったことも混同の要因ではないかと。。。

▲天香護山命・本州東北地区の総司令頭長

▲高加茂王命・南島一円守護司頭長

アジスキタカヒコネは、カモ神とは系統が違うことは明確だ。さらには、この時代に大和国賀茂氏の衰退があったとみられる。

 

神社は、古代の祭祀遺跡で、賀茂氏祖の賀茂建角身命の神跡ともされる。かつては、天神の森や鴨山とも呼ばれていた。

また鴨都波神社(コトシロヌシ)は櫛羅、鴨山口神社(オオヤマツミと御霊大神?)はもともと葛城山に鎮座していたものを、共に水害で現在地へ遷座させたという説あり。

葛城山周辺は、尾張国尾張氏族が…、大和国なのに…、富士朝やカモ祭祀をしていた土地。なんで尾張の人々がチラつくのか、さらには火雷天神や賀茂神信仰に関与しているのか?。このあたりにスポットを当てて考察してみたい。

通説尾張氏はホノアカリ子孫で、大和国葛城郡高尾張邑から発祥した古豪とされる。尾張国造として尾張へ渡り、熱田大宮司職を世襲したとされるが…。

むしろ逆…(´(ェ)`)。

 

 

 

そしてこの『神部神社レイライン』、三輪山と葛城山を強引に結びつけたのが、ミワ族でもあり、カモ族でもある、太田田根子(オオタタネコ)命ではないのだろうかと…。奇しくも、彼らの子孫は『神部氏』という。このあたりはまた近いうちご紹介する。

『神部神社レイライン』と神部氏は関係あるのだろうか。。。次回へ続く。

 

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