2019、3、10
宮下文書における瀬織津姫の正体とは?
これまで何度か瀬織津姫命に触れたが、良い機会なのでまとめてみようと思う。
個人的には、ウチの地元神社の御祭神であり、神社好きになったきっかけの女神である。実は、宮下文書現代訳を手にしてまず探したのが瀬織津姫だったのだが…、しかし何処を探しても見当たらない。
更に不幸なことに…私は、数多ある古文書の中で、宮下文書の正当性を感じてしまったわけで、これ即ち、瀬織津姫の実在性を自力で証明するのはもはやもう正直無理だなと…思えてきてしまった次第だ。
結局、瀬織津姫とは誰なのか?。
瀬織津姫は『大祓詞』では有名だが、物語として登場するのはホツマツタヱのみである。ホツマツタヱの特徴は、アマテラス=男神『アマテル』として描かれており、アマテル12妃の中宮、アマテルを夢中にさせた誠実で賢い女神。詰まる所、ホツマツタヱと10代崇神天皇~12代景行天皇が生み出した、神代以後の比較的新しい女神なのではないかと想像している。
しかしその信仰は大きく、かつては伊勢神宮にも祀られていた形跡があり、アマテラス荒魂として、『女神アマテラス』とも同一視されていく。別名『撞賢木厳御魂天疎向津姫命』、単に『向津姫』とも言われる。
特色としては、水神や祓戸神とも呼ばれる。機織りの神、姥神、白蛇、白龍、青龍、鈴鹿御前、飯綱権現、伊豆大神、マフツノ鏡、不動明王、弁財天、十一面観音、千手観音、文殊菩薩、かぐや姫…。ニギハヤヒの嫁。商標登録された女神。影の支配者。闇の帝王。アセンデッドマスター。ネット界隈では、いつも噂で溢れかえっている。
それにしても、これは特色がありすぎではないかと…。
平安時代中期927年、藤原時平らが制定した『延喜式』の成立後、理由は不明だが結果として多くの瀬織津姫系神社が窮地に立たされることになり、実質この『延喜式』が瀬織津姫を封じ込めたともいわれている。武蔵一宮・小野神社もこの頃より、実質の一宮の座を氷川神社に譲ることになったといわれる。
…しかし、是非これは知っておいていただきたいのだが、歴史を遡ると、おかしな事に、瀬織津姫に封印された女神も見え隠れしてるのだ。なんだこの逆転現象は?。
それが鈴鹿御前(タクハタチヂヒメ)や、伊豆大神(イワナガヒメ)だ。そして三嶋大社周辺『瀧川神社』には、別雷命(カモサワヒメ)の身代わりのように瀬織津姫が祀られている。また賀茂別雷神社(京都市北区上賀茂)には瀬織津姫の末社が二つある。これらの『瀬織津姫』は、果たして同神といえるのだろうか?。
一見、タクハタチヂヒメもイワナガヒメも、瀬織津姫よりは名を残せているように見えるが、宮下文書よ読み解く家系図が改竄されているのがわかる。それを牽強付会させるため、エピソード変更が随所なされている。
例えばタクハタチヂヒメは、記紀によりスサノオ娘であることを隠されている。
イワナガヒメは、どうやら八幡神と関係が深いようだ。
<まとめ+追記>八幡神と比売大神イトウの正体わかった!宇佐神宮・伊豆山神社・天孫降臨・八王子権現のまとめ。 - セキホツ熊の謎を追え!
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悩みに悩んだ挙句、私がたどり着いた答えは…。瀬織津姫とは富士朝『仮』の女神、或いは『名代』、新富士火山コノハナサクヤが台頭するまでの富士朝の象徴だ。
前述のように富士朝は段階的に影響力を無くして行く、その過程で、イワナガヒメやカモサワヒメらの存在が邪魔になった。そのうちアマテラスを含めた、邪魔な富士朝女神を一括して呼称する代名詞が必要になった。そんな過程で作られた『女神(仮)』なのではないか?。
『瀬織津姫』の矛盾をなくす考え方
~例えば伊豆山神社『伊豆大神』で考えてみよう(仮説)~
宮下文書によると、伊豆大神とは八幡神の鍵となる女神イワナガヒメ。八幡神と伊豆大神の正体は、歴史と共に、大きく隠蔽されていく。 詳細はリンクにて↓。
<まとめ+追記>八幡神と比売大神イトウの正体わかった!宇佐神宮・伊豆山神社・天孫降臨・八王子権現のまとめ。 - セキホツ熊の謎を追え!
①もともとは伊豆大神=イワナガヒメ(富士朝伊豆勢力)であった。
②祟神~景行天皇時代から富士朝の影響力が落ち、さらには富士朝女神が目障りだ。しかし祟りが怖い。ある程度の富士朝配慮が必要だ。
③とりあえず、イワナガヒメを瀬織津姫という仮名をつけ、様子をみた。
④平安時代・延暦~貞観噴火、さらに富士朝の影響力低下。
⑤もはや躊躇なく消去されるところ、坂上田村麿が東北地方に逃避させる。
⑥逃避先の岩手県・遠野などに、伊豆大神=瀬織津姫という伝承が田村麿英雄伝とともに残る。
⑦伊豆山の伊豆大神奇魂はキクリヒメに交代させられる。
このように、瀬織津姫は富士朝女神の名代のようにも見え、もしかしたら神社によって違う『瀬織津姫』御正体が祀られているのかもしれない。いや、冗談ではなく…そう考えれば、瀬織津姫の特徴が多種多様なのも頷ける。
では、現在も瀬織津姫を残す神社はどうなのだろうか?。歴代天皇でも重要過ぎて消せない『役割』を持つ神社とみるべきだろう。神界にも様々な役割があり、瀬織津姫にしかできない役割がある、と考えるのが妥当か。
結論を言えば、富士朝の『誰か』の名代だけれども、誰でもできるポジションではない重要神…。といったところか。
…うーん実際、難しい問題である(汗)。地元でお世話になっている神様だけに、迂闊なことは言えないし。次回は宮下文書において瀬織津姫に比定されそうな女神を探してみる。
記事続きはこちら↓。
宮下文書における瀬織津姫の正体②瀬織津姫の比定候補 - セキホツ熊の謎を追え!
宮下文書における瀬織津姫の正体③瀬織津姫に類似する女神たち。 - セキホツ熊の謎を追え!
※後記。富士山高千穂峰『夏至レイライン』上の瀬織津姫の役割が見えてきた。瀬織津姫には太陽神アマテラスを誘い、導く役割があるようだ。下リンクにて↓。
<神社めぐり>大國魂神社①最強サクナダリ神社に、瀬織津姫が祀られている可能性。 - セキホツ熊の謎を追え!
<レイラインの美学③>日月神示ヒムカの役割と気づき、見えてきた瀬織津姫と天照大神と木花咲耶姫の本当の関係。 - セキホツ熊の謎を追え!
<人見稲荷神社>瀬織津姫を三陣並べて、元寇『神風』を二度も呼んでしまった少弐氏おじいちゃんのお話。 - セキホツ熊の謎を追え!
※地図はクラフトマップ使用。